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返品調整引当金とは、返品による損失の見込額をあらかじめ見積もって計上するものとなります。
出版業の古くからの商慣習に従うと、多量の返品が生じます。後で返品があるのが分かっているのに、納品したときに全て売上にしてしまうと、利益が大きくなってしまい、税金も多くなるので大変だということで、返品に備えて、引当金の計上が認められてきました。
しかし、引当金は、「ひきあてきん」と読みますが、この損失の見込み計上は、やめましょうというのが、世界的な大きな流れとなっており、返品調整引当金も廃止の方向となり、段階的に上限が減らされます。
返品調整引当金の上限(限度額)が段階的に減らされるという話をしました。
何故、段階的に減らすかというと、出版社によっては、多額の返品調整引当金を計上しており、急に廃止にしてしまうと影響が大きすぎるからと言われております。
※令和3年4月以降に始まる事業年度から影響を受けます。
3月決算の会社を例に挙げますと、具体的には、
令和3年3月決算は、今まで通りの限度額(仮に経費にできる額を1000)とします。
令和4年3月決算は、改定前の限度額の9/10(改定前の限度額が1000とすると、900)
令和5年3月決算は、改定前の限度額の8/10(改定前の限度額が1000とすると、800)
令和6年3月決算は、改定前の限度額の7/10(改定前の限度額が1000とすると、700)
令和7年3月決算は、改定前の限度額の6/10(改定前の限度額が1000とすると、600)
令和8年3月決算は、改定前の限度額の5/10(改定前の限度額が1000とすると、500)
令和9年3月決算は、改定前の限度額の4/10(改定前の限度額が1000とすると、400)
令和10年3月決算は、改定前の限度額の3/10(改定前の限度額が1000とすると、300)
令和11年3月決算は、改定前の限度額の2/10(改定前の限度額が1000とすると、200)
令和12年3月決算は、改定前の限度額の1/10(改定前の限度額が1000とすると、100)
令和13年3月決算は、改定前の限度額の0/10(つまり、0。廃止です。引当金の計上はできません。)
となり、改定前の限度額が毎年同じだったとしても、年によってどんどん経費化できる金額が減っていくのがお分かりいただけるかと存じます。
また返品調整引当金は、毎年、前年に計上したものを一旦、収益にして、今年の引当金を費用化するという処理をしますので、改定前の限度額が同じだったとしても、差額部分が計算上の収益が増えることになります。
この増えた収益は、計算上の収益でして、お金を伴いません。現金は増えていないけれども、収益が増える。収益が増えると税金も増えるということで、お金は増えていないのに税金の支払いは増えるということになりますので、資金繰りにご留意ください。
返品調整引当金については、限度額が減らされるという以外にも、昨今、動きがあるように感じます。
それは、返品を伴わない取引が増えてきている点です。
返品調整引当金は将来の返品に備えて損失を見積もり引当金の計上するというものでしたが、返品が減ってくると、引当金の限度額も減る傾向にある出版社もあるかと思います。
上にも書きましたが、返品調整引当金は限度額が減ると、前期との差額が収益になりますので、資金繰りにご留意ください。
このページでは、返品調整引当金についてご紹介しました。参考になりましたら、幸いです。
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