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このページでは、税務署へ提出する勘定科目内訳書の作り方について記載していこうと存じます。
勘定科目内訳書とは、決算書の内容を細かく記載した書類となります。
例えば、決算書に現金預金100万円と記載があったとします。
勘定科目内訳書には、〇〇銀行××支店の普通預金 口座番号1234567 に100万円など、銀行名・支店名・種類・口座番号、そして残高を記載します。
※勘定科目内訳書での預金残高の記載は重要でして、残高が違っていたり、口座番号が違っていると税務調査が来やすくなるなどという税理士もいます。
ではどうやって作ればよいのでしょうか?
申告書を紙で提出している場合には、申告期限が近づくと用紙が送られてくることがあります。その中に用紙が入っていることもあります。
手書き派の方は、その送られてきた用紙を使って、勘定科目内訳書を作るという方法もあるかもしれません。しかし、手書きは、ある意味、一発勝負です。失敗すると、また書き直したりといった手間がかかりますので、ベテラン向きだと存じます。
クラウド会計や会計ソフトを使っている場合には、連動して作ってくれるものもあるようです。もしもクラウド会計や会計ソフトを使ってみて、使いやすいと感じるならば、そちらで勘定科目内訳書も作成するという方法もあります。
しかし、クラウド会計や会計ソフトの勘定科目内訳書は、記載内容が少ない会社向けかもしれません。使ってみて、使いにくいなと思ったら、エクセルで作ることをお勧めします。
エクセルで作る利点のひとつに、加工のしやすさが挙げられると思います。勘定科目内訳書の記載で時間がかかるのが、売掛金、買掛金の内訳という会社も多いかと思います。販売管理ソフトなどを使っている場合には、そちらのデータを集計して、勘定科目内訳書に貼り付けるということもできますし、販売管理ソフトを使っていない場合でも、管理台帳から貼り付けて、最後に金額の大きい順に並べ替えるということもできます。
まずは、見本(様式)を確認しましょう。
国税庁のサイトに掲載されております。勘定科目内訳書の様式は時折、変更されますが、令和6年3月1日以後終了事業年度分というのが、令和6年春時点の最新版です。
「C1-1 法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)」で検索すると国税庁の該当ページが出てくると思います。その中の(14) 勘定科目内訳明細書というところに、様式が掲載されております。
→令和6年3月1日以後終了事業年度分(PDFファイル/1,474KB)
インボイス制度が始まった関係で、売掛金などについて、登録番号の記載欄が追加されました。
注意書きに「「登録番号(法人番号)」欄に登録番号又は法人番号を記載した場合には、「名称(氏名)」欄及び「所在地(住所)」欄の記載を省略…」といった記載がありますので、従前どおりの記載でもよいし、登録番号を記載の上、名称や所在地を省略してもよいということでしょうか。
この見本を真似て、エクセルを加工していきましょう。
勘定科目内訳書のページごとにエクセルのシートを作成していくと印刷したときに楽だと存じます。
例えば、ひとつめのエクセルのシートを「預貯金等の内訳書」として、「金融機関名 支店名 種類 口座番号 期末現在高 摘要」などの欄をつくります。
下の方に記載してある「(注) 1. 取引金融機関別に、かつ、預貯金の種類別に記入してください。 なお、記載口数が100口を超える場合には、期末現在高の多額なものから100口についてのみ記入しても差し支え ありません。 2. 預貯金等の名義人が代表者になっているなど法人名と異なる場合には、「摘要」欄に「名義人○○○○」のように その名義人を記入してください。」の部分は、記載しても記載しなくてもどちらでもよいですが、記載しておいた方が、ご自身が記載するときに参考になると存じます。
取引銀行は、頻繁に増減するものでもないと思いますので、シートを作成したついでに、「金融機関名 支店名 種類 口座番号」を記載してしまいましょう。そして、印刷プレビューで印刷したときのバランスを確認なさってください。記載がない行(=横一列のこと)削除してしまっても問題ありませんので、1枚に収まるように調整しましょう。
※手形取引がない場合などは、「受取手形の内訳書」「支払手形の内訳書」を作成する必要はありません。勘定科目内訳書は該当するものがないページは作成しなくてOKです。
「預貯金等の内訳書」から「雑益、雑損失等の内訳書」まで準備ができたら、PDFにしましょう。
シートを全て選んで、印刷画面からPDFにしてもよいのですが、それですとページごとにPDFが出来てしまい、手間が増えます。エクセルブック丸ごとPDFにして、ひとつのPDFにしておくと、楽だと思います。
エクセルの「名前を付けて保存」で保存するときに、ファイル形式をPDFに選ぶと、ひとつのPDFとなります。なお、出来上がったPDFを確認して、内訳書の順番が変になっていないか、明朝とゴシックなど字体が混ざっていないか、レイアウトが変になっていないかなどを確認してなさってください。
順番が少々入れ替わっても、誰も何も言わないかもしれませんが、貸借対照表の左上から損益計算書へといった順番で並べておくのが、無難だと思いますし、決算書と突合する際にチェックをしやすいと存じます。
明朝とゴシックなど字体が混ざっているケースもよくあります。他のデータベースから貼り付ける際に書式も一緒に貼り付けてしまっているのだと思います。放置しておいてもよいですが、気づいたのであれば、修正した方が、スッキリするのではないでしょうか。
勘定科目内訳書は、決算処理と並行して作成するとスムーズです。
例えば、A銀行の預金残高が100万円だとします。
会計に入力したら、試算表のA銀行の預金残高が100万円であることを確認すると思います。そのついでに勘定科目内訳書のA銀行の預金残高欄にも記載しましょう。
そのように、会計入力→試算表の残高確認→勘定科目内訳書に記載という流れで行っていくとスムーズに決算が終わります。
勘定科目内訳書には、役員報酬の情報も記載されます。そういった情報を従業員へは見せたくないということでしたら、役員報酬のページだけ、別のエクセルを作って管理するなど、工夫なさってください。
勘定科目内訳明細書の書き方については、国税庁のサイトにひな形がありますが、細かい部分までは書かれていません。
大きな捉え方としては、役職名ごとに、人ごとに記載すると、見やすくなると思います。
こういうときどうやって書くのだろうという「役員報酬手当等及び人件費の内訳書」に記載する際のよくある疑問について、こういう書き方もありますというものをご紹介します。
〇役員報酬が変わった場合の書き方
例えば、3月決算の会社で5月の株主総会のタイミングでAさんの役員報酬が変わったとします。
仮に、Aさんの4月から5月が月30万円と6月から3月が月50万円とすると、560万円がその方の1年間の役員報酬計となります。
Aさんの役職が同じならば、4月から5月分60万円、6月から3月分500万円と2段に分けて書く必要はありません。
〇代表者が変わった場合の書き方
例えば、3月決算の会社で6月の株主総会のタイミングで代表者が変わったとします。
その場合、4月から6月と7月から3月の代表取締役がいることになります。
まず、申告書を作成するタイミングでの新しい代表者の情報を一番上に書きます。
前代表取締役の情報は、その下にでも記載しましょう。役職名は、「前代表取締役」と記載したくなりますが、「前」はつけなくてよさそうです。というのも、e-Taxのサイトに「勘定科目内訳明細書の標準フォーム等」というものが公開されているのですが、それをみると、使うことができる役職名は限定されているからです。
新任の代表取締役は、4月から6月は取締役、7月以降代表取締役というケースもあると思います。そういった場合、取締役と代表取締役の2段に分けるのか迷うところだと思います。
役職が変わっているので、分けて記載した方が良いのかもしれません。
上記の標準フォームをみると、代表取締役、常務取締役、専務取締役、取締役、監査役はそれぞれ別のコードがありますので、これらの役職は別のものとして、分けて記載した方が良さそうです。
〇取締役から監査役に変わった場合の書き方
取締役と監査役を入れ替えることもあるかもしれません。そういった場合には、役職が変わっていますので、2段に分けて記載した方が良いのかもしれません。
このページでは、税務署へ提出する勘定科目内訳書の作り方について、ご紹介しました。
決算の際に、時間がかかるのが、勘定科目内訳書の作成だったりします。先に決算書を作り、後から勘定科目内訳書を作ると、数字が動くことがありますので、勘定科目内訳書と決算仕訳は同時に作っていった方がミスが少なくなると存じます。
なお、勘定科目内訳書の書き方について、税務署から指摘を受けたという話を聞いたことはありませんので、神経質になりすぎないようになさってください。
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