登記簿面積でよいの?測量しなきゃダメなの?

土地の面積はどの面積を使う?(相続税)

自宅の土地などを申告する際に、どの面積を使えばよいのか迷ってしまうケースもあるようです。

ご自身で購入した土地であれば、この土地は何㎡か理解していると思います。しかし、親の土地や義理の親の土地などの場合、土地の面積について深く考えたことがないということもありますよね。

「50坪弱って言っていたかな?」など曖昧なケースも多いようです。

このページでは、検討してみたいと思います。

 

まず、土地の面積、つまり地積とは何かということですが、国税庁のホームページの中で、財産評価基本通達第8条に、下記のように記載されております。

地積は、課税時期における実際の面積による。

ここでいう課税時期とは、土地の所有者が亡くなった時となります。亡くなった時点での面積で計算してくださいねということです。

登記簿面積でよいのか?

まずは土地と建物の登記簿を法務局で取得します。

その際には、固定資産税の課税明細書を持って行くと、そこに地番が記載されておりますので、便利だと存じます。

直接法務局へ行ってもよいですし、郵送でもOKです。最近は手続きすればネットでも取得可能です。

ついでに公図など法務局で取得できる地図も取得してください。

そこで問題なのは、その登記簿に書かれている面積で本当によいのかという点です。

相続税の申告で使うのは、実際の面積です。登記簿の面積とズレている場合には、気を付けなければなりません。

使えそうな資料を探す

次に使えそうな資料を探してください。

例えば、下記のような書類は参考になさってはいかがでしょうか。

・測量図など実測した図面(実測したものがあればそれを使います。購入した土地であれば、家に保存してあるかもしれませんね。)

・固定資産税の課税明細書(非課税申告などで登記地積と現況地積がズレているかもしれませんので確認してみてください。現況の方が少なければセットバックが関係しているかもしれませんね。大きければ、登記面積で申告すると過少申告になる可能性も出てきます。実測した方がよいかもしれませんね。)

・建築申請の書類(家を建てた場合には、建築申請の書類があるかもしれません。そこに様々な情報が記載されております。)

・公図など(正確な地図ではありませんが、およその情報が分かります。)

・道路台帳平面図(道路の幅などが分かります。2項道路と面していれば、セットバック関係の土地の評価が使えるかもしれません。「道路台帳平面図の調べ方」はこちらから

・都市計画道路の情報(都市計画道路の土地の評価が使えるかもしれません。東京の場合にネットでも調べることができます。「都市計画道路の調べ方」はこちらから

・その他、土地に関する情報を集めましょう。

土地の情報が集まったら、総合的に検討していきましょう。

重要なポイントは、①全体の面積は合っているのか、②面している道路が複数ある場合などの加算要因を見落としていないか、反対に③減算要因を見落としていないかの3点となります。

 

 

狭い道路に面しているときなどは、42条2項道路(セットバック)の確認を!

建築申請の書類や道路台帳平面図などから、土地が面している道路が、狭くセットバックが必要そうであれば、各自治体の建築指導課などへ行き、42条2項道路の確認をしてみるのがよいかもしれません。

住所を言えば地図を引っ張り出してくれます。ただし、役人の中には、ごにょごにょっとしゃべる方もいるので、聞き取れないかもしれません。そういった場合でも、まずは落ち着いて「この道路は2項道路であっていますか」「この地図の赤い部分が2項道路ということでよろしいでしょうか」などと聞きなおしてください。

 

もしもセットバックが必要な土地であれば、自由に使えない土地であるため、相続税の計算をする際の土地の評価を下げることができます。

ただし、すでにセットバック済みの場合もありますので、よく検討なさってください。(2項道路に面していて建て替えをしているのにセットバックをしていないケースもあります。)

 

今後セットバックが必要な土地については、将来、道路として取られる部分の面積の評価が70%減になり、既にセットバック済みの場合には、その道路を誰が使うかによって道路部分の計算が変わってきます。

 

※2項道路だと分かった段階で、、さて何メートル下がればよいかという疑問がわいてくるかと存じます。地域整備課などへ行くとヒントが手に入ることがあります。ヒントを得たうえで、最後は自分で道路を測るながれとなるでしょう。ただし、地域整備課の担当者の話も分かりずらいかもしれません。落ち着いて「この図面はどういう向きですか」など確認しながら、情報収集なさってください。

役所へ行くとあっちへ行け、こっちへ行けといろいろな部署をたらい廻しにされますので、イライラせずに辛抱強く情報収集にあたってくださいね。

役所へ行く前に道路台帳平面図を確認しておくとよいかもしれません。

不整形地(かたちが真四角でない土地)の検討

もしも土地の形が、正方形や長方形といった四角でない場合には、「不整形地の補正」を適用することによって、土地の評価を下げることができるかもしれません。

計算方法はいくつかありますので、色々と検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

土地の評価は相続税の申告の中でも難しい問題です。

登記面積よりも実際の土地の方が広ければ、実際の面積で申告しなければ過少申告になってしまいます。他方、土地家屋調査士へ測量を依頼すれば、実際の面積は分かりますが、手数料がかかります。測量を頼んだ方がよいのかはそれぞれの状況によって変わります。

相続財産の中に土地がある場合には、早めに動かなければ、10か月以内という申告期限に間に合わないという事態にもなりかねませんので、ご留意ください。

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