最近は技術系や情報系の同人誌のお祭りも盛り上がっているようです。

盛り上がるということは、広く存在が世間に知れ渡るということでもありますので、今一度、確定申告についてご確認いただければと存じます。

1円でも利益が出ていたら、確定申告して、納税する。

同人誌を作成されている方と話をしていると、「そんなに利益を出ていないから、申告していない」といった話を聞くことがよくあるのですが、

「1月から12月までの損益を集計して、1円でも利益が出ていたら、確定申告して、納税する」ということをまずは抑えていただきたいところです。

損益の求め方

損益を求めるには、まず、作品ごと版や刷ごとに売り上げと原価(製作費)在庫を把握する方法が分かりやすいのではないかと存じます。

例えば、年間に新刊を3つ出したとします。

作品A 印刷部数 100部 印刷費 15万円 売れた部数 50部売上 10万円 在庫50部

作品B 印刷部数 500部 印刷費 20万円 売れた部数 450部 売上 22万5千円 在庫50部

作品C  印刷部数 50部 印刷費 10万円 売れた部数 0部 売上 0円 在庫50部

 

作品ごとの管理とは上記のように、作品ごとに、原価、売上、在庫を把握します。

 

例えば作品Bについて、もう一回印刷したとします。その場合には、

作品B(初版) 印刷部数 500部 印刷費 20万円 売れた部数 500部 売上 25万円 在庫0部

作品B(2刷) 印刷部数 300部 印刷費 10万円 売れた部数 200部 売上10万円 在庫100部

といったかたちで、印刷した刷ごとに管理します。

何故かというと、印刷するごとに印刷費が変わるため、1部当たりの原価が変わります。最終的に売れ残りは原価から除き、来年の原価にまわすのですが、その際の計算に作品ごとの最後に印刷したときの原価を使うから、印刷ごとの原価を把握する必要があるのです。

 

作品ごとの損益を求めてから、全体の経費を引く

損益の計算は、2段階の構造となっております。

①まず、作品ごとの損益を把握する。

②次に全体にかかる経費を引く

という流れになります。

全体にかかる経費とは、例えば

イベントへの参加費、作品の運送代、電気代、通信費、カメラ、パソコン、タブレット、レジプラなどでしょうか。

特に決まっている訳ではありませんので、作品を作るために必要だったものや作品を売るために必要だったものが、経費となってくる可能性があります。

ただし、減価償却という考え方がありますので、税込みで10万円以上の資産(カメラ、パソコン、タブレットなど)がある場合にはご留意ください。

 

また技術書や情報系に場合には、取材費や実験費が出てくるかと存じます。

取材費や実験費も当然、経費になります。(作品と紐づけることができるものについては原価となる場合もあります。)

取材に行く際に、車やバイクを使っていれば、その購入も一部は経費となってきます。(バイクなどについてはこのページも参照ください。

 

会社員など勤め人の場合

会社員や公務員など勤め人の方が、確定申告をする際には、会社から受け取る源泉徴収票も必要となります。

もしも失くしてしまったということでしたら、再発行してもらってくださいね。「会社側に言えない」という相談を受けることがあるのですが、会社側の立場にたつと既にあるデータを印刷するだけです。悩みすぎないでくださいね。

 

また副業・副収入の確定申告についての間違った情報に惑わされないでくださいね。

チームで運営している場合

複数名で作品を作っているサークルもあるかと思います。

例えば、窓口がAさん、利益の半分をBさんへといったケース。

こういった場合には、まず窓口となっているAさんが全額売上と原価を計上します。そしてBさんへ払った金額も経費(原価)とします。

BさんもAさんから受け取ったお金を売上として、確定申告します。

二人とも利益が出ているのならば、二人とも確定申告が必要ですね。

こういったケースは、窓口となる人を一人に決めておいた方が楽です。

また、AさんはBさんへ支払金額を通知するだけでなく、きちんと損益の報告もしておくと、のちのトラブルを避けられるのではないかと存じます。

現金でやり取りする場合には、領収書を受け取ってくださいね。

まとめ

このページでは、技術系や情報系同人誌の収入の確定申告についてご紹介しました。

最後に宣伝。

当税理士事務所でも、確定申告のご依頼を受け付けております。毎年11月頃になると、契約しているお客様からの税金の予想や、「ふるさと納税はいくらまでできそうなの?」といったお問い合わせも増えてきます。

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