確定申告や相続税申告のご依頼を承っておりますので、お気軽にお声がけください。各資料はメールや郵送等でもお送りいただけます。当税理士事務所は電子申告・e-Taxに対応しております。会社の決算・申告のご依頼や税務顧問のご依頼もお引き受け可能です。
税理士という仕事をしていると、様々な会社の税金をみることになります。会社を経営するうえで、恐ろしい3つの支出といえば、源泉税・消費税・社会保険料ではないでしょうか。
社会保険料は税金ではないですが、強制加入ですので、経営をする上では、税金と同じくらい強制的にお金が出ていくものとなります。
経営をする上で、この3つについての資金繰りは必ず頭に入れておいてください。これらは一旦滞納し始めると、立て直すことは容易ではありません。
源泉税とは、源泉所得税のことをいいます。源泉所得税とは、支払う側が、税金分を引いて相手に残額を支払い、引いた税金分を税務署へ納税するというタイプの税金となります。
例えば、文章を書いてくれたライターさんへ10万円の報酬を払うとします。となると、10.21%の10,210円を引いた残額、89,790円をライターさんへ支払い、10,210円は税務署へ支払うという流れになってきます。
この10,210円は何かというと、ライターさんの所得税の前払いです。ライターの立場に立つと、売り上げは10万円だが、入金は89,790円、差額の10,210円は税務署へ先払いした税金ということになります。
ライターさんの税金の話なのだから、支払う側にとっては税金分を引いて払っても、引かずに払っても問題ないような気がしてしまいますが、大問題です。
何故なら、支払う側に源泉徴収義務があるからです。
税務署に指摘をされたら、納税義務はあなたにありますので、あなたが支払うことになります。
「いやいや、もうライターさんに満額支払ってしまいましたよ」といっても「それについてはライターさんから返金してもらってくださいね」という話になってきます。しかしライターさんから返金してもらうのは現実には難しいですよね。
結局、その部分の税金とペナルティーを支払う側が負担することになるというケースも少なくありません。
ライターさんへ支払うときには源泉税を引いて払う必要がありますよということを、早めに教えてくれればよいのですが、税務署というところは、税額が膨らんでから満を持してやってきます。
「別に源泉しなくても、きちんと確定申告をしていたら、税務署としては損していないのだから、セーフでしょ」といった勘違いをなさっている社長さんがいます。
セーフではないです。もちろん、源泉を引いていなくても見逃してもらえた人はいるかもしれません。しかし、だからといってセーフではないですし、あなたの会社に調査が入った場合に、見逃してもらえる保証はどこにもありません。
税務調査で指摘を受けたら3年あるいは5年遡って支払うことになります。本来払うべきだった税額だけでなく、不納付加算税という高額な税金と延滞税を払うことになります。
見逃してもらえることに期待するのは、リスクが高すぎるように思います。
「国税庁のサイトの『源泉徴収が必要な報酬・料金等』にひっからない名目で請求書とか貰えばセーフでしょ」
セーフかどうかは、実態が何なのかによってきまります。中身が原稿料なのに、別の名目で領収書を発行していたら、セーフではないでしょう。
また現実の世界では、どれが徴収する必要があって、どれが徴収する必要がないのかは、かなり曖昧です。「個人へ支払うときは、必ず徴収している」といった超保守的な方もいるくらいです。
個人への支払いが出てきたときには、国税庁のサイトや税務署においてある冊子などをよく読んで、あるいは税務署へ電話などをして、源泉徴収が必要なのかどうか確認してから支払うようになさってください。
※相手からの請求書に源泉徴収の記載がないからといって、そのまま払ってしまってはいけません。必ず調べるようにしてください。
「源泉税は、一旦支払いが遅れ始めると、立て直せない」と言われる理由は一体、何故でしょうか?
それは対象の支払いがあるたびに、毎月のように発生するからです。
例えばあなたがライターさん達に毎月記事を書いてもらっているとします。ライターさん達へは毎月支払いが発生しますよね。支払いが発生するということは同時に源泉税も発生します。つまり毎月源泉税が発生することになります。
毎月発生するものを滞納してしまうと、翌月には倍、翌々月には3倍とどんどん膨らんでいってしまいます。一旦つまづくと、現金売上が劇的に増えるなど、資金繰りの大幅な改善がない限り、立て直しは難しいでしょう。
「損益的には黒字なのに、もうやっていけない、会社つぶすしかない」といった事態になってしまうかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このページでは「源泉税を滞納すると恐ろしいことになるよ」といったことをご紹介しました。
こうならないためにも、
①源泉徴収すべきものについては、めんどくさがらずに源泉徴収して支払う
②源泉徴収したものは、めんどくさがらずに税務署へ納付する
の2点をおさえていただければと存じます。
特に起業したての会社や、資金繰りが厳しいときなどほど、自分にとって都合の良い情報を信じてしまいがちですが、ペナルティーの重さなどを考えると、源泉所得税の徴収はしっかりと行って、きちんと納税した方がよいのではないかと存じます。
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