作家さん・漫画家さん向け:入金額のみを売上にした場合の処理

このページでは、作家さんや漫画家さんへ向けて、源泉税が引かれていたのに、入金額のみを売り上げにしてしまった場合の処理方法について記載していきます。

出版社から入金がある場合には、源泉税がひかれて入金していると存じます。入金額のみを売上として処理すると、売上不足となり、修正が必要となります。

ご自身で申告書を作成した場合だけでなく、確定申告を税理士に依頼したとしても、間違った処理をしているケースをみかけます。

売上の資料、支払通知などは必ず保管して、いくら源泉税が引かれているのか分かるようになさってください。

修正方法は、正しく計算した結果、税金が戻ってくる場合には、「更正の請求」という手続きを、追加で納税する場合には「修正申告」をすることになります。

源泉税が引かれているかどうかの見分け方はあるのか?

源泉税が引かれているかの見分け方はあるのでしょうか?

支払通知や支払調書などのお知らせがなければ、正確には分かりません。支払通知や支払調書をくれない取引先には、源泉引かれていますか?と聞くしかありません。

源泉が引かれているかは取引内容によって分かれますので、ポイントを記載しておきます。

1.出版社からの入金は源泉税が引かれている可能性が高い。

商業出版の場合には、源泉税が引かれている可能性が高いです。大手の出版社から入金がある場合には通知が届いていると思いますので、毎回の通知を捨てずに保管なさってください。もしも捨ててしまった場合には再発行してもらいましょう。

大手の出版社は、入金のたびに通知をくれて、さらに年明けに支払調書をくれるところが多いです。

小規模の出版社ですと、通知書も支払調書もくれないというところもあります。そういった場合には聞くしかありません。メール等で、「源泉税の確認」として 「〇月〇日に振込頂いた××円は、源泉税引かれていますか?源泉税の有無とその額を確認したいので、もしも引かれているようでしたら、引いた源泉税の額をお知らせください。」と送っておけば、返信くれると思います。

2.出演料も源泉税が引かれている可能性が高い。

メディアなどにゲスト出演したという方もいるかもしれません。出演料は源泉税を引いて支払われることが多いようです。大手メディアは支払通知や支払調書を送ってくれるようですので、捨てずに保管なさってください。

3.講師料も源泉税が引かれている可能性が高い。

学校やセミナーなどで講師をしたという方もいるかもしれません。講師料も源泉税を引いて支払われることが多いようです。学校であれば、支払調書を送ってくれますので、捨てずに保管なさってください。

個人や団体が開催しているセミナーなどの場合には支払調書は送ってくれないかもしれません。その場合にもメール等で源泉税の有無とその額を確認して、そのメールを保管しておきましょう。

4.配信や支援金などは引かれていない可能性が高い。

配信や支援金などは源泉税が引かれていないことが多いようです。支払明細を入手して、源泉の有無をチェックなさってください。また、配信の場合には、手数料が引かれて入金されているということもあるようですので、売上と経費の金額にご留意ください。

5.委託販売は引かれていないことが多い

いわゆるとらやメロンといった委託販売は引かれていないことが多いです。しかし、一部が原稿料として源泉税が引かれていることもありますので、毎月の売上の通知書は捨てずに保管なさってください。

6.電子書籍などは会社によって異なる?

電子書籍などの比較的新しいサービスの場合には、源泉税を引いている会社と引いていない会社があるようです。支払通知や支払調書を受け取った場合には、それを保管しておきましょう。

取引状況をCSVデータでダウンロードできるという会社もあるようですので、確定申告で使えそうなものがありましたら、DLしておいてください。

何もくれないという会社の場合には、年明けに「確定申告でつかうので、年間売り上げの数字と、源泉税の額を教えてください。」と聞いてみるのもよいと存じます。

中には、支払通知や支払調書はくれたけれども、金額が合わない、合わせ方が分からないといったこともあるようです。

資料や書類をなくしてしまう。。。

書類をなくしてしまうという方もいるかもしれません。

郵送など紙で届いた書類は、とりあえず開封はするという方と、開封すらしない方がいると思います。

とりあえず開封はするという方は、開封したついでに書類をカメラで撮影しておくのはいかがでしょうか。その上で、箱や袋を用意して、その中に確定申告で使いそうな書類をどんどん入れておくのはいかがでしょうか。

開封するのもめんどくさいという場合には、大きめの箱や袋を用意して、受け取った書類はどんどんその中に入れていくという方法があります。返送しなければいけない書類もあるかもしれませんが、その場合には電話などがくるだろうと開き直って、とりあえず保管だけはする方法です。

メールやダウンロード形式など電子で届いた場合も同様です。フォルダをひとつ作ってそのフォルダにどんどん入れていってください。なお、余裕があるかたは、どの取引先からなのかわかるように、ファイル名やフォルダ名に出版社などの名前をいれておくと、確定申告が楽になります。

入金額から予想できる場合も

入金額から源泉税が引かれているか予想できる場合もあります。

というのも源泉税の税率は10.21%(支払金額が100万円超の部分は20.42%)と決まっているからです。

例えば、入金額が9,979円だったとします。この場合、売上は税込11,000円、源泉税は1,021円と予想できます。

入金が19,958円ならば、売上は税込22,000円、源泉税は2,042円と予想できます。

入金が99,790円ならば、売上は税込110,000円、源泉税は10,210円と予想できます。

ただし、入金額が大きくなってくると、税率が10.21%なのか20.42%なのかごちゃごちゃしてしまうこともありますので、支払通知書などの資料をもらった方がよいと存じます。

確定申告の修正方法

売上を少なく申告してしまった場合の修正方法をご紹介します。

まずは、正しい売上金額と引かれた源泉税の額を求めます。売上が動くと利益の額も変わりますので、正しい利益の額や税額を計算しておきましょう。

正しい税額が分かったら、もともと提出した申告書との差を計算します。

正しい税額ともともと提出した申告書の税額とを比較して、税金を払いすぎていたら返金の手続きをします。

税金が不足していたら、追加で支払うことになります。

1.返金の手続き

返金の手続きは、「更正の請求」という手続きとなります。国税庁の公式サイトに更正の請求書というものがありますので、そちらを記入して税務署へ提出してください。国税庁の確定申告書作成コーナーでも作成可能です。

更正の請求書を提出すると税務署から内容確認の電話がかかってくることが多いですので、税務署の電話番号をメモしておくと良いかと思います。

電話はかかってきてほしくないという場合には、根拠資料や説明資料をあわせて提出しておくと、問い合わせなく、そのまま返金処理してもらえることもあります。

税理士へ依頼する余裕があるという方は、税理士へ更正の請求を依頼すると税務署とのやり取りも対応してもらえます。

※当税理士事務所でも「更正の請求」のご依頼を承っております。お気軽にお声がけください。

 

2.追加で支払う手続き

追加で支払う場合には、修正申告書を作成します。修正申告書も国税庁の確定申告書作成コーナーで作成可能です。修正申告書を作成して、追加で納税すべき額を納付するとともに、修正申告書を税務署へ提出してください。

ミスを減らすためには

確定申告のミスと減らすためには、どの取引が源泉税を引かれていて、どの取引が源泉なしなのかを把握する必要があります。

源泉税は前払税金ですので、源泉税を無視すると、売上が少なすぎるだけでなく、税金を2重で払っているという状態になってしまいます。

売上先が数社の場合には、把握しやすいと存じますが、10社20社となる方ですと、管理が大変だと思います。

確定申告の準備としてできることは、

・売上先から送られてきた資料は捨てずに保管しておく。

・資料をくれない売上先には、「確定申告で使うので年間の取引金額(売上)と源泉税などを教えてください」と問い合わせる。

・新しい取引先へ入金口座を連絡する際に、「メールなどでも構わないので、源泉税引く場合には、引いた金額をお知らせください。」と伝える。

などがあります。

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