声優の確定申告

こんにちは。渋谷の税理士「創栄共同事務所」と申します。このページでは、声優さんの確定申告についてご紹介していきます。

確定申告とは

1月から12月までの「収入」と「仕事で使った経費」などを申告して、「ギャラから引かれた税金」を返してもらう作業となります。確定申告を行うことで、住民税や健康保険料なども安くなることもあります。いわゆる「確定申告期限」が過ぎてしまっても、提出できますので、確定申告まだ終わっていないという方はなさってください。

なお、売れっ子になってギャラが沢山もらえるようになると、追加で支払うケースもあります。人によりますが、収入が1000万円くらいになってくると、追加で支払うケースが増えてくるかもしれません。

確定申告で使うもの

確定申告で使うものは、

・マイナンバーカードや通知カードなどマイナンバーが分かるもの

・身分証(運転免許証や保険証など)

・収入の資料(支払調書・源泉徴収票、ギャラが入金された通帳のコピーや自分で書いたメモなど)

・経費の資料(仕事で使ったものの領収書やクレジットカードなどの明細、引落口座の通帳のコピーなど)

・健康保険料や年金保険料、生命保険料など書類があれば、その書類も

となります。

あるものだけで構いません。

準備①:収入と引かれた税金を集計する

確定申告の準備として、収入と引かれた税金を集計する作業を行います。

手作業で集計してもよいですし、帳簿をつけるアプリやソフトなどを利用してもよいと思います。

集計期間は1月1日から12月31日までです。この期間に行った仕事のギャラを集計してください。

なお、仕事をしたけれども、まだお金を受け取っていないという場合も、収入として集計してください。

仕事をしたけれども、まだ金額が決まっていない仕事があるという場合には、「これくらいになりそう」という予定金額で集計するか、どれくらい貰えるか不明という場合には0円で集計するなどの対応となります。

集計が終わりましたら、収入300万円、引かれた税金306,300円など、どこかにメモしておきましょう。

準備②:使った経費を集計する

続いて経費を集計しましょう。

手作業で集計してもよいですが、領収書の量が多いと大変かもしれません。帳簿をつけるアプリやソフトなどを利用してもよいと思います。

経費は、項目ごとに金額を書く必要がありますので、集計の際にも、分けて集計してください。

例えば、

地代家賃:賃貸マンションなどに住んでいる場合の家賃など(全額ではなく、仕事で使っている割合を経費にします。)

水道光熱費:電気代や水道代など

交通費:タクシー代や電車代など

通信費:携帯代やWIFI代など

広告宣伝費:名刺代など

接待交際費:仕事関係のプレゼント代や、お見舞金などを払った場合や打ち上げの費用、差し入れなど

修繕費:パソコンやカメラなど機材が壊れた場合の費用など

消耗品費:マスクやのど飴、加湿器や空気清浄機、事務用品やケーブルなど10万円未満のもの

会議費:打ち合わせしたときのお茶代や食事代など

美容衣装代:仕事で使う衣装代など(プライベートな服とは、分ける)

資料研究費:仕事関係の資料代やボイストレーニングの費用など

※10万円以上の機材などは、固定資産として集計します。

最後に、減価償却費の計算をします。減価償却費の計算は、申告書の書類の中にある「減価償却費の計算」という紙に記載して計算します。

プライベートな費用(生活費)と分ける

確定申告のコツは、仕事でつかった経費だけを集計して、プライベートで使ったものは集計しないという点です。領収書やレシートがあれば、何でも経費になると思っている方もいるようですが、プライベートなものは経費となりませんので、経費にいれてはいけません。

しかし、仕事のためでもあるし、判断に困る微妙なもののあると思います。そういった場合には、「自分はこのように考えて経費にしました」と税務署へ説明できるかどうかで決めるというのもありだと存じます。

例えば、食費。

食費は、声優の仕事をしていなくても必要ですので、単なる食費は経費とはなりません。

仮に「喉に効くサプリ」があったとします。このサプリ代はどうでしょうか?「このサプリは喉のために飲んでいるので、声優をしていなかったら、このサプリは飲みません。この声がでなければ、声優の仕事はできませんので、売上は上がりません。このサプリは売上を上げるために必要不可欠なものです」といった説明は、税務署への説明としては成立しているかもしれません。(税務署が認めるかどうかは分かりませんが)

しかし、喉のために「ショウガやネギ」を取り入れた食事をしているとします。この「ショウガやネギ」などの購入代はどうでしょうか?「これらは喉のために食べているので、売上を上げるために必要不可欠なものです」という説明はどうでしょうか?もしかすると「それって、単なる食事では?」と言われるかもしれません。「喉に効くサプリ」のときよりも、経費としては認めませんと言われる確率が高いように思います。

経費にするかどうか迷ったら、税務署へ堂々と売上との関連を説明できるかどうかで判断なさってください。税務調査では人が判断しますので、同じものを経費に入れていたとしても、Aさんの場合には何も言われなかったけど、Bさんの場合にはダメと言われるということがあります。「先輩が経費になるって言っていたから経費にしました。」とかではなく、自分で売上との関係を説明できるか考えて経費にするか判断なさってください。

プライベートな費用の代表例として、旅行も挙げられます

まず、家族旅行は、経費とはなりません。では、声優仲間との旅行はどうでしょうか?

声優仲間と行けば経費になると思うかもしれませんが、単に友人として一緒に旅行して遊んできただけですと、単なる旅行ですので経費にはならないでしょう。

準備③:健康保険料や生命保険料

健康保険料や年金保険料を支払った場合には、確定申告で使えますので、資料を保存しておいてください。

生命保険料や地震保険料なども使えますので、保険会社から届いた書類を捨てずに保存しておいてください。

準備ができたら、申告書を作る

準備ができたら、申告書を作りましょう。税務署へ行って手伝ってもらうことできますし、国税庁の公式サイトなどで作ることもできます。

お金を払う気持ちがあるのならば、確定申告を税理士へ依頼するという方法もあります。実際に税理士の事務所へ行ってもよいですし、資料をネット上で送ったり、郵送で送ったりして、申告書を作ってもらうやり方もあります。税理士へ依頼する場合には売上や経費の集計なども依頼することができます。

税理士へ払う料金については、税理士によって価格設定が異なりますのでなんとも言えませんが、収入が300万円ですと料金は6万円くらい、1000万円ですと12万円~18万円くらいのところもあるかと存じます。

確定申告は例年3月15日までが申告期限ですが、期限を過ぎても申告書は提出可能です。

今からでも間に合いますので、まだ確定申告をしていないという方は、今から行いましょう。

確定申告はしておいた方が良いと思います。

税務署へ行きたくない

このページをご覧の方の中には、確定申告をしていないという方もいるかもしれません。確定申告をしていない理由の一つに、税務署へ行きたくないという方もいるかもしれません。税務署へ行くのがめんどくさいという方もいるかもしれません。

平日の日中しかオープンしていませんので、なかなかタイミングが合わないという方や、駅から遠くて嫌だという方もいるかもしれませんし、税務署の職員と関わるのが嫌という方もいるかもしれません。

申告書を自分で作ることができる方は、わざわざ税務署へ行かなくても郵送などで申告書を提出する方法もありますし、電子申告といってネット上で提出するという方法もあります。

申告書を誰かに相談しながら作りたいという方は税務署で相談するか、周りに人に相談するか、税理士へ依頼するかということになってきます。

税務署は敵ではありません。思いのほか、フレンドリーな職員さんもいます。一度行ってみて、もしも感じの悪い職員だったら、「体調悪くなってきたので、ここで帰ります。すいません。」などと言って、さっさと帰ってきても良いと思います。

※税金のことを周りの人に相談するとトラブルになりがちです。確定申告書にはどれくらい収入があるのかを記載しますので、周りの人に相談するということは、相談相手に収入がバレます。「税金安くしてあげるよ」とか「儲け話があるよ」などと自称コンサルが接触してきたりしますので、気をつけてください。

税務署へ行ったり、税理士に会うときの服装

税務署へ行ったり、税理士に会うときの服装をどうすればよいのか分からないという方もいるかもしれません。

答えとしては、何でもOKです。別にスーツ着ていく必要はありません。着たい服を着ていけばOKです。

税務署へ行くと待合室というか順番待ちをするスペースがあり、そこにはスーツ姿の方も多いですが、それは、税務署へ来ているのが会社の社長さんだったり、税理士だったりするためで、スーツでなければ印象が悪いという訳ではありません。サンダル姿の方もいますし、Tシャツ姿の方もいますし、作業着姿の方もいます。お好きな服装で行ってください。

夏場にいくと冷房がきいていて寒いということもあるかもしれませんので、一枚羽織るものがあるといいかもしれません。反対に、今は窓を開けているので暑いということもあります。

税理士に会うときもお好きな服装で構いません。当税理士事務所は、渋谷にあるのですが、様々な服装の方がお越しになります。

税理士から見ると、服装や見た目は何でもOKです。髪の毛がボサボサでも蛍光ピンクでも、ノーメイクでもド派手なメイクでも何でもOKです。確定申告書を作るために必要な書類を忘れずに持ってきてほしいと思っている税理士は多いと思います。

収入が1000万円を超えました

収入が1000万円を超えた場合、消費税の問題が出てきますので、税務署か税理士に相談しましょう。

影響するのは2年後です。例えば2021年の売上が1200万円だったとします。その場合に2023年の確定申告から消費税を納税する義務がでてきます。消費税の納税は、高額になることもありますので、納税資金をためる習慣をつける必要があります。人によって税額は変わりますが、売上が1200万円なら、50万円~70万円くらいが納税額という方が多いかと存じます。消費税の納税額は、最大で売上の10%となります。

納税資金ってどれくらい用意しておけば良いの?

税金の支払い用にどれくらい用意しておけばよいのか気になる方もいるかもしれません。

1年間で払う税金などは、

・所得税(5%~45%)

・住民税(10%)

・健康保険料(10%)

・国民年金保険料(年20万円)

・個人事業税(5%)

・消費税(10%)

などがあります。

税金の支払いは、収入が多くなればなるほど、増えていきますので、収入が少ない方と、多い方ではためておいた方がよい金額も変わってきます。

収入が少ない方は収入の20%~30%、収入が多い方は収入の50%をためておくと、安心だと存じます。

税金は、翌年の7月頃にどれくらい払うのかが出揃いますので、使いすぎないように留意なさってください。

(参考)税金のスケジュール

・3月 所得税と消費税の税額が決まる

・4月 国民年金保険料の納付書が来る

・6月 住民税と国民健康保険料の納付書が来る

・7月 個人事業税の税額が来る(11月になることもある)

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