生命保険料と確定申告

このページでは、生命保険料と確定申告について記載していこうと思います。

最近では、生命保険料の支払いでもクレジットカードで支払ってポイントを貯めることができる保険があるようです。

一方、勘違いして加入してしまっている方も結構いるようです。

よくある勘違いを3つ挙げてみました。

「保険の種類」を勘違い

生命保険の保険料は、確定申告の際に「生命保険料控除」欄に記載することで、所得控除といって税金計算上の経費のようなものにすることができるものがおおく、その結果、税金が安くなったりします。なお、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものもあるようですので、加入の際にはご留意ください。

この生命保険料控除は契約した時期によって扱いが異なるのですが、平成24年1月以降に契約したものについては3つの枠があり、それぞれに上限が決まられております。

この「枠」は加入する生命保険の種類によって決められているのですが、ご本人としては3つに分散して入ったつもりだったのに、生命保険会社から送られてくる証明書をみると、分散できていなくて、結果的に、「なんだか損したな。」「思ったのと違っていたな」と感じる方もいるようです。

何故こういうことが起きるかというと、「枠」の名称が紛らわしい点も関係しているかと存じます。

枠の名前は「一般生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料」となります。

よくあるのが、自分としては「個人年金保険料」として使えると思って個人年金に入ったつもりだったのに、実は「一般生命保険料」扱いだったというものです。

生命保険料控除が3つに分かれているというところはご存知の方も多いようなのですが、個人年金保険料は「税制適格特約付加契約」が必要であって、「個人年金保険料税制適格特約」を付与しない個人年金保険の保険料については、一般生命保険料となるということはあまり知られていないようです。

このあたりのことは国税庁のサイトにも分かりやすくは書いていないようでして、生命保険会社から送られてきた証明書をみてビックリされる方もいるのではないでしょうか。

加入する際に、よく確認なさってください。

参考として、国税庁サイトの生命保険料控除関係のページをリンクしておきます。

No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等(国税庁のサイトへ)

No.1140 生命保険料控除(国税庁のサイトへ)

「お金の払い方」を勘違い

保険料の払い方には月払いや半年払い、年払い、一時払いなどいくつかの方法があるようですが、生命保険料控除を使う上でポイントとなるものを記載しておきます。

①月払保険料をまとめて払い込む場合には、12月分までに該当する金額がその年の控除対象となる。

②一時払保険料は、保険料を支払った年に1回だけ控除の対象となる。

③前納保険料は、支払った年に全額控除の対象とはせず、到来した払込期日に控除対象なる。

④振替貸付の保険料も控除対象。

⑤契約を復活させたときの未払払込保険料は、支払いが実際に行われて年にまとめて控除対象。

 

「お金の支払時期」を勘違い

生命保険料控除として使うには、その年に保険会社へ着金する必要があるようです。

11月以降に加入する場合には、引落やクレカ払いですと、来年の扱いになってしまうということもあるかもしれません。「今年の生命保険料控除で使うためには、どうやって支払えばよいのか」など、保険会社に確認なさってください。

なお、「保険料を払ったのに生命保険に加入できていない!」といったトラブルもあるようですので、いわゆる保険屋さんに現金を預けることや保険屋さんの口座へ振り込むといったことは避けた方がよいのかもしれません。振り込む際には、生命保険会社の口座かどうか確認なさってください。

離婚した場合など

実際に保険料の支払いをしている者が、その保険の受取人がその本人、配偶者、親族のいずれかの保険料を払ったときに生命保険料控除は使えます。

例えば離婚などにより、受取人が配偶者や親族でなくなった場合には、生命保険料控除の対象とはなりません。

なお、いわゆる「生計一」にしていなくても親族であれば生命保険料控除の対象となります。

共済と生命保険は違うの?

生命保険を選ぶときに、「共済」というものが出てくるかもしれません。

共済といってもさまざまなものがありますが、確定申告の時期にコマーシャルなどでよく見かけるのは。東京都民共済などの各都道府県民共済かもしれません。

外から見ていると似ているよねと思いますが、生命保険の教科書などを読むと隣接業界として紹介されておりますので、中の人にとっては「違うもの」なのかもしれません。

違いの一つとして、共済は職業や地域などを限定しているが、保険は不特定多数が対象だという点が挙げられます。

生命保険でも共済でも加入される場合には、内容をよく確認して、「生命保険料控除が使えるのか」などもよく確認の上、加入なさってくださいね。