スポーツジムなどで、業務委託で働いているインストラクターの方の確定申告について、ご紹介していきます。
まず、確定申告について、説明します。
確定申告というのは、年に1回、1年分の収入を国に報告する作業を言います。
集計期間は、1月から12月までを一つの区切りとして集計し、翌年の3月15日までに提出します。
収入を得るために使った経費があれば、それも集計して報告します。
収入というのは、いわゆる売上のことです。銀行口座などに振り込まれたものだけでなく、現金で受け取ったものも収入となります。
業務委託以外に時間給などとして受け取っているものもあるかもしれません。その場合には給与所得として確定申告書に記載します。
売上か給与か分からないということもあると思います。スポーツジムなどの支払ってくれる側がどうやって処理をしているかによって判断するのが、シンプルかと思います。給与所得ならば、源泉徴収票が発行されますので、源泉徴収票を受け取ったら、給与扱いとして給与所得として申告します。
源泉徴収票をくれなければ、売上という扱いになってくるでしょう。
この辺りは深掘りすると長くなりますので、実務上は上記のような見分け方でよいのではないかと存じます。
売上について、いくつか解説します。
スポーツジムなどから受け取る場合には源泉徴収されて入金されると思います。
源泉徴収というのは、国が定めた内容の支払いについては、所得税をあらかじめ徴収して、支払う側が国に納めるという税金の仕組みのことを言います。
源泉徴収されたお金は、所得税の前払いとなりまして、確定申告をすることで、差額がもどってきたります。
下記の内容が源泉徴収の対象となります。なお、もしも下記内容の仕事をしているのに源泉徴収されずに入金されている場合には、ヤバい会社の可能性がありますので、十分ご留意ください。
源泉徴収義務は、支払う側(スポーツジム側)にあります。源泉徴収すべき支払いについて源泉徴収していないと、支払う側(スポーツジム側)に税務調査が来たときに、遡って徴収するか、支払った額を手取り額として、徴収額を再計算するという方法のいずれかになることが多いです。
受け取った側(インストラクター側)も、確定申告のやり直しやら、源泉徴収相当額の返金など、訳わからないことに巻き込まれますので、怪しい会社とは取引しない方が賢明だと思います。
また、源泉徴収すべきものをしなかった会社側(スポーツジム側)には、加算税や延滞税などで、多額のペナルティーがかかりますので、資金繰りが一気に悪化して、どうにもならなくなるというのがよくあるパターンです。
売上集計のポイントをご紹介します。それは、
売上は抜かない!
ということです。
売上は抜いてはいけません。
振込で受け取った売上も、現金で貰った売上も、抜いてはいけません。
自制心が弱いと、ついつい現金で貰った売上を抜きたくなるかもしれませんが、そういうことはしてはいけません。
また、源泉徴収された入金された売上は、源泉徴収される前の金額で集計します。
例えば、月30万円の売上で、3万630円引かれた、26万9370円の入金があったとします。その場合の売上金額は30万円です。
インストラクターの方の中には、インボイスの登録をどうすればよいのだろうと悩んでいる方もいるかもしれません。
インボイスというのは、消費税の処理の話でして、インボイスの登録をしておけば、スポーツジム側がインストラクターへ支払った金額を消費税計算上の経費になるというものになります。
しかし、インボイスの登録をしてしまうと、インストラクター側に消費税の申告義務と納税義務が発生しますので、登録した方がよいのか、しない方がよいのかは、よく調べた方が良いと存じます。
当税理士事務所でも、そういったインボイスの相談にも対応しておりますので、お気軽にお声がけください。
確定申告では、売上から経費を引いた差額について、税金がかかってきます。
では、どんなものが経費になるのでしょうか。
経費とは、売上を獲得するために必要だったものが経費となります。どんなものが経費になるのかは、それぞれがどうやって働いて売上を上げているのかによって違ってくると思いますが、一例をあげてみます。
・場所代
・ウェアやシューズ
・通信費
・光熱費
・交通費
・接待費
上記の他にも、売上を獲得するために必要だったものが経費なります。判断に迷った場合には、税務署にご自身の口で売上との関連を説明できるものは経費、ごにょごにょしてしまうものは経費にしないというかたちで対応してみてください。
経費集計のポイントをご紹介します。それは、
生活費は入れない!
ということです。
生活費は入れてはいけません。
生活費とは何かというと、インストラクターという仕事をしていなくても発生するものと考えてもよいのかもしれません。
例えば、食費。インストラクターをしていなくても、食費は発生しますよね。
中には「お客様に食事指導するための実験として、自分の体で試してみた」ということもあるかもしれませんが、毎食全額というのは難しいと存じます。
売上と経費の集計が終わったら、青色申告決算書や収支内訳書といった書類に記載します。
二つの違いは、ご自身が青色申告の申請をしているかどうかです。青色申告の方は、青色申告決算書に記載し、青色申告の申請をしていない方は収支内訳書という書類に記載します。
最後に、確定申告書に記載していきます。
確定申告書に記載するときは、
・青色申告決算書や収支内訳書といった書類
・源泉徴収票
・支払調書
・健康保険料や国民年金保険料、生命保険料などの書類
・ふるさと納税などの書類
などをあらかじめ準備しておくとスムーズに行えます。
手書きでもよいですが、国税庁の公式サイトなどの利用して、ネット上で作成する方が多いと思います。
売上から源泉税を引かれて入金されている場合には、源泉税の額を確定申告書に記載することを忘れないようになさってください。
スポーツジムなどで、業務委託で働いているインストラクターの方の確定申告について、ご紹介しました。
最後に宣伝です。
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