法人税の納付書が来なくなった!?納付書の事前送付に関するお知らせについて

国税庁のサイトを見ていたら、「納付書の事前送付に関するお知らせ」というものが掲載されておりました。

令和6年5月以降に送付する分から、電子申告やペイジー払いをしている法人や個人へは、納付書を送りませんということのようです。今まで通りに納付書が届くのは、紙提出していて、納付書払いしている法人や個人だけになりそうです。

【追記】申告は電子申告、納付は納付書という場合

R6.5の段階で、5月末納付期限の中間納税について、地方税と消費税については納付書が届くけれども、法人税については納付書が届かないという中途半端な状況になっています。

3月末決算5月末申告については、法人税、消費税、地方税のいずれも納付書は届いているようです。

※ダイレクト納付の設定をしている法人には、法人税の納付書及び消費税の納付書は送られてきません。

申告は電子申告(e-tax)で行っているという場合に納付書が来ない!

申告を電子申告でしている場合に、法人税の納付書が来なくなりました。

困るのはどんなケースでしょうか?

困るケース①:中間納税

まず、困るのが、中間納税です。ほとんどの会社は中間決算は行わずに、納付だけしていると思います。

納付書が届いてから、「あ、中間納税あったんだ。」と中間納税の有無を知るという方もいたと思います。また、納付書が届いてから「税額はこの額なんだ。」と納税額を知って、納付していたという方も多いと思います。これが、消費税の納付書は届くけれども法人税の納付書が来ないということになります。

そうなりますと、法人税は中間納税なしかなと思って、納付しない、あるいは税額が分からなくて納付できないというケースが増えそうです。

税理士と契約している場合には、納税予定表を貰えると思いますので、そちらを参考にカレンダーに記入しておくと忘れるのを防げると思います。

メッセージボックスに中間納税のお知らせが届くようですので、メッセージボックスへログインできるようになさってください。

※メッセージボックスとは、税務署との通信用サイトのことです。

https://uketsuke.e-tax.nta.go.jp/UF_APP/lnk/loginCtlKakutei からもログインできます

困るケース②:決算時の納税

次に困るのが、決算時の納税です。

特に申告期限ギリギリに申告書が完成するという会社さんは、なかなか納付のことまでは気が回らないと思います。

期限ギリギリで「納付書がない!」ということに気づくことになるかもしれません。

税務署に連絡すれば納付書は送ってもらえますし、税務署に行けば納付書はもらえますので、慌てないでください。

また、納付書にこだわらなければ、ペイジ―払いなどの方法もありますので、そちらも検討ください。

納付書はどこで貰えるの?

納付書はどこで貰えるのでしょうか。

税務署で貰えます。どこの税務署でも貰えるので、渋谷税務署で麹町税務署への納付書を貰うこともできます。郵送でも送ってもらえます。

また、税理士へ依頼している場合には、税理士が金額を書き込んだ納付書を送ってくれると思います。

税理士へ依頼している場合には、ペイジー払いにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。ペイジー払いとは、ATMやインターネットバンクで操作して納付する方法で、納付書は使いません。

税理士に「ペイジー払いしたい」と伝えれば、必要な情報を教えてくれると思います。近所にATMがあるのなら、そちらから払うことができますし、ネットバンクを使っているのなら、そちらから払うことができます。

一度、使ってみると、意外と簡単と思うかもしれません。

納付書での納付は期限ぎりぎりに銀行に行くと期限後扱い(翌日)になってしまうということもありますが、ペイジー払いはそういうことはありませんので、便利だと思います。

 

ダイレクト納付は、どうなの?

税務署が推しているものとして、「ダイレクト納付」というものがあります。

ダイレクト納付とは、引落口座の登録をしておいて、その銀行口座から税額を支払うというものになります。ネットバンクの契約をしていなくてもよいというのが特徴のひとつです。

ダイレクト納付を使うには、ある程度の経理能力といいますか、パソコン能力といいますか、事務処理能力が必要だなという印象があります。

ダイレクト納付の設定はしたけれども、使っていないという会社も割と見かけますし、誤納付も見かけます。

慣れれば難しくないとは思うのですが、慣れるほどは使わないので、毎回「どうやってやるんだっけ?」「これで合っているのかな」ということになり、これっだったら、納付書の方が分かりやすい、ペイジー払いの方が楽ということになるようです。

※自動ダイレクト

令和6年4月から自動ダイレクトというものも始まったようですが、こちらはまだ運用が不安定のようですので、様子見しておいた方がよいかもしれません。

おすすめの納付方法は?

現状、筆者がお勧めしている納付方法は、ペイジー払いです。

ペイジー払いに必要な番号の発行は税理士に依頼して、受け取った情報をATMやネットバンクに入力して払うというのが、一番トラブルが少ないように感じています。

パソコン得意ですという方は、ペイジー払いに必要な番号の発行もご自分でなさってください。ある程度、ペイジー払いに慣れてくると、ダイレクト納付に移行しても、戸惑うことが少ないように思います。

納付書から、いきなり「ダイレクト納付」に移行すると、負担に感じる社長様や経理担当もいるようですので、段階を踏んでゆっくりと移行していくのが良いのではないかと思います。