とりあえず決算をして、法人税の申告を行ったのだけれども、その内容に大幅な修正が必要ということもあるかと思います。このページでは、そういった場合のリカバリーについて記載していきます。
修正が必要となるケースとしては、経理担当者が辞めてしまって、とりあえず決算をして、申告書を提出してみたけれども、大幅な修正が必要となるケースが挙げられます。
経理の仕事内容を知らないと、「経理なんて誰がやっても同じ」と思う経営者の方もいるかもしれませんが、経理の方は大事にしなければなりません。
「税理士に丸投げしているよ」という会社も多いとは思いますが、決算のときにどんな連絡をしているのか、どんな書類を提出しているのか、その書類はどうやって入手しているのか、あるいは作成しているのか、書類はどうやって保存しているのかなど、経理担当者にしか分からないこともあります。決算に必要な資料がなければ税理士は、申告書を作成できません。
大幅な修正をする場合の手順としては、
①まず、正解の決算書を作る
②最初に作った決算書と、正しい決算書の差について、説明するための資料をつくる
③法人税特有の項目での修正があれば、それについても説明する資料をつくる
④申告書で調整して、正しい数字になるようにする
になってくると思います。
大幅な修正をする場合には、修正箇所が多くて大変だと思いますが、ひとつひとつやっていくしかありません。
売上や売掛金残高の修正の場合には、
・客先からの支払通知などから、売掛金残高を確定させるケース
・請求書や納品書、注文書などの売上の資料から確定させるケース
・翌期の入金状況から確定させるケース
などがあると思います。
取引先ごとに売掛金残高をあわせて、根拠資料を集めていく作業はなかなか大変ですが、残高は毎回引き継がれるものですので、ここであわせないと延々とズレたままになってしまいます。きちんと合わせましょう。
経費を修正するケースとしては
・領収書の数字を打ち間違えていた
・領収書の入力がされていなかった
・クレジットカードで支払ったものが重複して入力されていた
・経費でないものが入力されていた
・資産計上するものが経費処理されていた
などがあると思います。
経費の修正の場合にも、ひとつひとつ、根拠資料を集めて、修正の理由をまとめておくことになるでしょう。
大幅な修正となると、どこから手を付けたらよいのか分からないという方もいるでしょう。ポイントとしては、勘定科目ごとに修正していくことです。そうすることで修正漏れを防ぐことができますし、説明資料も読みやすいものになるでしょう。
まず、決算書や試算表を印刷して、その左上の勘定科目(現金勘定や預金勘定など)からひとつひとつ修正していきましょう。
複式簿記ですので、例えば売掛金残高を動かすと、それに対応する科目(例えば売上高など)も動くことになります。
税務署へ提出する資料は、決まっているわけではありません。更正の請求なのか修正申告書を提出するのかによって求められる資料は変わってくるでしょう。
提出前に税務署へどんな書類を出せばよいのか相談しておくのもひとつの方法です。修正申告書を提出した上で、更正の請求の手続きを行うこともあります。
更正の請求というのは、還付請求、つまり、払った税金を取り戻すときに行う手続きです。
この場合には、更正の請求書に加えて、最初の決算で作った総勘定元帳と、修正後の総勘定元帳、動いた仕訳の一覧表、動いた消費税の明細書、修正内容を説明する資料などを提出することになるでしょう。
総勘定元帳のボリュームが少ない場合には提出も簡単ですが、ボリュームが多い場合には工夫も必要でしょう。
修正申告というのは追加で税金を払うときに提出する申告書です。この場合には単に修正申告だけを出すということもあります。
修正申告の場合にも説明資料は作っておきましょう。作っておかないと、税務署から問い合わせが来た場合や後で振り返ったときに、どういった理由で修正申告をしたのかなどが、分からなかくなってしまいます。
このページでは、前期の決算内容の大幅な修正をする場合のリカバリーについて記載しました。
後から直すのは手間がかかります。1回目の申告で正しく処理しておいた方が楽だと思います。
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