二つあるの?どっちが得なの?

国民健康保険料と国民健康保険税の違いは?

会社員の方にとっては馴染みがないかもしれませんが、いわゆる自営業、フリーランスの方は社会保険の代わりに渋谷区などの住んでいる自治体の国民健康保険に加入することになっています。(健康保険組合に加入できることもあります。)

会社員の方も例えば転職して前の職場と新しい職場の間に日にちが空くときは、その間は国民健康保険に加入ということもあります。

この国民健康保険ですが、保険料の扱いが、「国民健康保険料」という場合と「国民健康保険税」という場合があります。

このページでは「国民健康保険料」と「国民健康保険税」の違いについて記載していきます。

「国民健康保険料」と「国民健康保険税」の違い

「国民健康保険料」と「国民健康保険税」の違いについては、埼玉県鴻巣市(こうのすし)のサイトにまとめられております。

そちらのサイトによると国民健康保険を行う市町村は、国民健康保険法(第76条)により「国民健康保険に要する費用を世帯主から徴収しなければならない」と規定されており、保険料と保険税の2種類が存在するようになったのは、昭和26年からだそうで、国民健康保険料にするか、国民健康保険税にするかは自治体が決めてよいことになっているということです。

ちなみにどちらでも性質は同じですが、関連する法令が異なっているため、消滅時効が違うとのことで、国民健康保険料は国税徴収法によっており消滅時効は2年、一方、国民健康保険税は地方税法によっており消滅時効は5年とのことです。

個人的には東京23区なら国民健康保険料、神奈川県や埼玉県は国民健康保険税といったイメージがあります。個人的なイメージとしては東京23区以外は、ほとんど「税方式」ではないかと存じます。

どの自治体がどちらの方式によっているのか、少しずつ調べて下記に記載していこうと存じます。

東京都

東京23区なら「料方式」という個人的なイメージを持っています。23区以外では「料方式」のところもあれば、「税方式」のところもあるようです。

保険料の決め方、23区なら一緒なのか?

話はそれますが、そもそも保険料ってどうやって決まっているのでしょうか?そして23区内は一緒なのでしょうか?

そんな疑問に大田区のサイトが答えてくれています。

「保険料は毎年度の医療費などの総額を見込み、原則としてその半分を保険料でまかなえるように計算し、残りの半分は国・都・区が負担します。国保は地方自治体により保険料の計算方法や料率が異なり、保険料も異なります。 しかし、現在は東京23区では統一保険料方式を採用しているため、東京23区内の保険料はほぼ同じです。また、保険料の計算方法や料率などは国民健康保険法を基に、区の条例で定めています。」(引用:大田区「国民健康保険料計算方法」)

大田区のサイトでは「ほぼ一緒」という記載もありますが、23区内でも年間にすると数万円の差がでてくるという試算もあります。そのあたりは、いくらくらいまでを「ほぼ一緒」と捉えるのか、お金を払う側と、お金を受け取る側の感覚の違いなのかもしれません。

検索すると出てくると存じますが、葛飾区が高くて、千代田区が安いという話です。比べてみると年間の上限は同じですが、上限に達していない方はかなり差が出てくるのではないかと存じます。

葛飾区のサイトによると国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の収納事務などをパーソルテンプスタッフ株式会社へ委託しているようです。この辺りも国民健康保険料が高いことに関係しているのでしょうか?

埼玉県

鴻巣市のサイトによると埼玉県内は、全ての全市町村が税方式を採用しているとのことです。

なお、鴻巣市では昭和29年7月旧鴻巣町で「国民健康保険税条例」を施行し、それ以来、税方式を採用しているとのことです。

ちなみに埼玉県のホームページに国民健康保険についてというページがあるのですがそれによると、一人当たりの年間医療は333,646円で、平成29年度218.6億円が国保の赤字だったとのことです。

神奈川県

神奈川県のホームページでは「神奈川県内の市町村における国民健康保険料(税)の賦課状況の一覧」をまとめてくれています。これをみると限度額は県内で同じですが、限度額に達していない方の場合にはかなり差がでてくるかもしれません。神奈川県の場合には、自治体によって平等割といったものが加算されたり、資産割といったものがかかってきたりするようです。

また話がそれてしまうのですが、「神奈川県国民健康保険運営方針(平成30年度~平成32年度)」というPDFが神奈川県のホームページにあるのですが、その中(18P)に「1人当たり保険料(税)額の差が生じている要因のひとつとして、法定外繰入金があり、法定外繰入を行っていない市町村は比較的高く、法定外繰入を多く行っている市町村が比較的低くなっている。その他様々な要因で保険料(税)額の差が生じているが、所得水準も一つの要因であり、所得水準が高い市町村は、同じ所得割率でも、保険料(税)を多く集めることができるため、その分、1人当たり保険料(税)額が高くなっている。」とあります。法定外繰入金とはいわゆる国保の赤字のことのようです。つまり赤字の市町村では保険料の負担が低く、赤字にしないように頑張っている市町村では保険料の負担が高いということでしょうか。

夫婦で別世帯にできる?

みなさんは「世帯分離」という話を聞いたことはありますか?そもそも世帯という考え方はご存知でしょうか?世帯とは、居住及び生計をともにする社会生活上の単位をいうそうです。例えば配偶者や親と同居している場合でお財布も一つで生活している場合などは同一世帯ということになってくるかと存じます。一方、そこから離れることを世帯分離というようです。住所は同じでもお財布が別々ということでしたら、世帯分離が可能と言われていますが、自治体ごとに対応が異なっているとも言われています。

上にも書きましたが、国民健康保険法の第76条では、「被保険者の属する世帯の世帯主から保険料を徴収しなければならない」となっており、保険料を納める義務は世帯主にあるため、国保料の請求は世帯主に届きます。しかし、共働きのご夫婦などの場合には、普段から別々のお財布でやっているのに国保料だけ世帯主にまとめて請求させるのはおかしいと感じる方もいるようで、夫婦別世帯にしている方もいるようです。

なお自治体によっては国保料の請求先だけを世帯主から変更するということができる自治体もあるようです。